「マイナンバーカードの取得は任意である。」という事について、政府は方針を転換するつもりはない。しかし、マイナカードを保険証としても使える事や、運転免許証としても使える事で、1枚のカードで何でもできるという事を喧伝したいのだと思いますが、「保険証は廃止します」とか「運転免許証は本人確認書類として使えなくします」という政策は、事実上取得の強制にあたるのではないかと思うのです。
なぜ、撮影後約5年以内の顔写真と生年月日や氏名住所等が表記された運転免許証を本人確認書類として使えなくするのか。全く説明がありませんが、私たちは説明されなくても理由は分かります。
マイナカードの地位を向上させ、唯一の本人確認書類とすることで、国民に強制取得させたいからに他なりません。
任意と言いながら強制するのはなぜかというと、最初から強制では反対多数で制度そのものが作れないからです。任意とすることで、作りたい人だけ作ればいいという意味に解釈してもらって、少数意見の反対派を取り込んだわけです。しかし、制度をスタートしてみたら、取得率が芳しくないので、2万円分のマイナポイントという飴を付けました。税金で。
消費税を払っている側からすれば、多少還付される気分も手伝って、取得率は上がりました。国民の約8割が取得したのだから、もういいだろうと思うのですが、残りの2割の国民は飴ではなびきませんでした。そこで、鞭として出されたのが「保険証の廃止」や「運転免許証を本人確認書類として使わせない」という考え方です。何とも幼い政策。国民として情けなくなります。
本来なら、「来るべき人口減少社会に備えて、行政をスリム化するために必要な政策である。」という事を正面から訴え、「当面取得は任意ですが、制度完成までには様々なトラブルが起こると思いますので、そういった場合については、国が責任を取ります。」と言ってくれれば、様子見派も積極派もレールに乗ったのではないでしょうか。それを、「取得は任意なので、国は責任は取りません。起こった様々なトラブルについては、再発防止に向けて指示をしました」と言うだけ。
指示された自治体側もたまったものではありません。業務削減どころか、余計な業務が増えて、余計なお金がかかるという顛末。
一応民主主義国家なのだから、もう少し少数意見に耳を傾けながら、ゆっくりと事を進めて欲しいものです。