胃検診

毎年夏に、胃検診があり、その日は学校に検診車がやって来ます。夏休みなどの長期休業中ならそれほど身構えないのですが、生徒が登校してくる日に検診となると大変です。予約表に自分の名前を書いて、受けるわけですが朝食を取らずに受けるので、1時間目に授業があって、2時間目に検診とかになると、もうヘロヘロです。

確か35歳以上が対象だったと思うのですが、私が最初に受けた時に胃の中に腫瘍があると言われ、胃カメラによる検査が必要だと言われたのを覚えいています。

後日、胃カメラによる検査を受けた所、「胃粘膜下腫瘍」と診断されました。ただし、この腫瘍は悪性ではないので、放置して構わないと言われました。

次の年も、胃検診で胃の中にある出っ張りが検出されたのですが、どうやら静脈隆起じゃないかと言う話になりました。

しかし、毎年胃検診の季節になると、憂鬱になります。あの、バリウムが苦手というか、お腹の中が重くなるのとか、ひどいとそれが2〜3日続いたりするのも嫌でした。

そして何より、バリウムによる胃検診は、かなりの放射線被曝をしてしまうのです。

胸部レントゲンなら、1枚写真を撮るだけなのに対して、胃検診は検診中ずっと放射線を浴びます。

胃バリウム検査は被ばく量が多い検査です。胸部X線写真は1回の被ばく量が0.1mSyですが、胃バリウム検査は15~25mSyもの被ばく量にもなります。
さらに検診車などで行う間接撮影では小さな画像しか得られないため20~30mSyもの被ばく量になります。

仁愛堂クリニックのホームページより引用

単位のmSyは、ミリシーベルトと読みます。

一方で、環境省のHPを見ると、一般人の被ばく線量の限度を、年間1mSyとしています。ただし、医療被曝には適用しないとありますので、胃検診は医療被曝ですから、適用外ということになります。

職業人(おそらく原発で働く人やレントゲン技師など)は年間50mSyかつ、5年間で100mSyまでということですから、胃検診における20〜30mSyの被曝は、大きいのではないかと私は考えました。

そこで、私は職場で行う胃検診を受ける代わりに、自費で胃カメラを飲むことにしました。保険適用外になるから、結構高額になるよと言われましたが、バリウムによる胃検診を受けたくなかったので、胃カメラによる検診を受けました。

結果は、軽度の逆流性食道炎と診断されました。医師からは、特に問題とするほどでもないので、次回は2年後くらいにもう一度検診を受けてみては如何でしょうか?と言われました。

つまり、次の年は、胃検診を免除されたのです。胃カメラもバリウムも飲まなくて良くなったわけです。

そして、2年が経過しました。

養護教諭からは、先生は今年は自費診療ですよねと言われ、「はい。」と答えて夏にバリウム飲んでいないので、胃カメラを飲みに行かざるを得ません。

予約をしてクリニックに行きました。

クリニックには、2年前の写真が残っていて、今日はどうされました?と聞かれたので、2年経ったのと、職場の胃検診を兼ねて来ました。と言ったところ、経過観察ということにして、保険適用しましょうか?と言ってくれたので、是非お願いしますと言って、保険適用にしてもらいました。

結果は、胃の入り口が広がっているので、胃酸が逆流しやすいという事。また、小さなポリープがありましたが、胃の中にピロリ菌は検出されなかったので、胃がんになるリスクはほとんどないとの事でした。

私は、担当してくれた医師に、次はいつ検診受けたら良いですか?と聞いたところ、「胸やけがひどくなるなど、何らかの症状が出たら来てもらえれば良いと思いますが、がんのリスクは限りなく低いので、特に来なくて良いです。」と言われました。

つまり、職場での胃検診から退職まで解放されたのでした。

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