日本は今急激に少子化に向かっている。新型コロナによって、その速度はさらに加速した。教員の立場から、少子化について考えてみたい。
まず、少子化により学校規模が小さくなり、統廃合が進んでいる。つまり、退職者の数ほどは教員を新規採用しなくてもいいという状況が生まれている。また、定年延長もあって、教員の平均年齢は上がっている。そう考えると、若い先生の何と貴重な事か。
そして、この少子化の流れはいくら首相が対策をすると言っても、止めることは出来ない。
なぜなら、少子化は国民一人一人の判断の集合だと思うからです。その結果に行政の力で何が出来ると言うのだろうか。確かに経済的な理由で結婚しないとか、子供を持たないという選択をしている国民は多いと思います。では、そこに国家予算を投入して、どの程度の改善が見込まれるでしょうか?私はそれほど改善しないように思うのです。
教員が少子化にほんの少しでも抵抗しようと思うなら、今受け持っている子供たちに明るい展望を語り、彼らの自己肯定感を伸ばし、自分に自信を持って生きていけるような環境づくりが大切だと考えています。
現在の子供たちの環境はかなりひどい状況です。核家族で両親共働きとなれば、家族間のコミュニケーションも少なくなりがちな中、子供たちはネット社会に飛び込んでいくため、情報過多になっています。他人と比較して落ち込んだり、学校では常に競争にさらされ、自己を過小評価したり、他者に対して優しくなれなかったりと、「自分なんか・・・」という考えになってしまう子供もいると思います。
そこで、せめて学校では、
「他人と比較しても仕方がないんだよ」
「それ出来るようになったんだ!」
「あなたにはあなたしかできない事がたくさんあるね」
「ありがとう」
「助かったよ!」
「がんばったね!」
など、子供たちの笑顔を一つでも多く作ることが、私たち教員に課せられた最大の使命であると私は考えます。
学習指導ばかりに力を入れていると、一番重要な「子供たちの笑顔を作る」ことをないがしろにしてしまう可能性があります。
元気に毎日登校してくれる生徒たちは、これからの日本を牽引していく大切な存在です。そして、その生徒たちの前を歩く私たち教員自身も、明るい展望や自己肯定感を持ちながら、自信を持って生きている姿を彼らに示すことが、とても重要な教員の仕事であると私は考えています。
それが、教員が少子化に抵抗することなのではないでしょうか。
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